もくじ
香典返しの挨拶状に関する基礎知識
ここでは、香典返しを渡す際に添える挨拶状についての基本を解説します。
香典返しの挨拶状とは?
香典返しとは、お通夜や葬儀で故人に香典をいただいた方に返礼として品物を渡すこと。品物を郵送する際には、「弔い事を滞りなく終えたことのお知らせ」と「忙しい中故人のためにお悔みいただいたことへのお礼」を伝えるための挨拶状を添えます。
香典返しの挨拶状を渡すタイミング
挨拶状は忌明け後1カ月以内に渡すことが一般的。忌明けのタイミングは宗教や宗派によって異なり、仏式の場合は故人が亡くなった日から49日後の四十九日(七七日忌)法要が忌明けとなります。香典返しの品物は、四十九日法要が滞りなく終わってから挨拶状を添えた香典返しを配送または持参します。なお、西日本の一部の地域では四十九日と同じ意味で「満中陰」、香典返しを「満中陰志」と呼ぶことがあります。神式では故人が亡くなった日から50日後の「五十日祭」、キリスト教式のカトリックの場合は、亡くなった日から30日目の「追悼ミサ」、プロテスタントの場合は1カ月後の「召天記念日」が忌明けに当たります。
お通夜や葬儀の当日に香典返しを渡す当日返し(即日返し)の場合も、会葬礼状を添えるとより丁寧な印象になります。

香典返しの挨拶状を書くときのポイントと注意点
香典返しの挨拶状を書くときに含める内容と文章作成時の注意点をまとめました。事前に確認しておきましょう。
香典返しの挨拶状の書き方のポイント
挨拶状は、宗教や宗派によって書き方が異なります。文章には基本的に「頭語・結語」「香典に対するお礼」「弔い事がすべて滞りなく終わったことの報告」「香典返しの品物を送ること」「略儀で済ませてしまったことへのお詫び」を含めます。故人と生前親しくしてくださった方には、お付き合いのお礼や思い出のエピソードなどを記入するとより丁寧な印象になります。無宗教の場合には、弔い事についての記載を省いて作成しましょう。
挨拶状は、巻紙と言う奉書を封筒に入れたものが正式とされてきましたが、最近では封筒に入れる必要のないカードタイプが広く利用されています。印刷・手書きを含め、縦書きで1枚の用紙にまとめるようにします。
香典返しの挨拶状を書くときの注意点
句読点は使わない
香典返しの挨拶状の文面には、「。」や「、」の句読点を使わないことが基本です。「毛筆では句読点を使わなかったため」「葬儀や法要が滞りなく済むように、文章が途切れる句読点を使わない」などがその理由と言われています。句読点を付けてもマナー違反にはなりませんが、使用しない方が無難です。
挨拶状内では、故人の名前だけを記載しない
挨拶状では、差出人と故人との関係性を記載する必要があります。「亡父〇〇」「亡祖母〇〇」「故〇〇儀」「弊社社長〇〇儀」など、事前に具体的な書き方をチェックしておくと良いでしょう。
忌み言葉や重ね言葉は使わない
「四(死)」「九(苦)」「迷う」「消える」など、縁起の悪い言葉とされる忌み言葉は使わないようにします。普段何気なく使っている言葉も忌み言葉に該当する場合があるので、注意しましょう。また、「いろいろ」「ときどき」「再び」などの重ね言葉は、不幸が重なることを連想させるため使用を避けます。封筒も二重封筒は使用しません。
香典返しの挨拶状の例文
仏式、神式、キリスト教式それぞれの例文をご紹介します。参考にしてください。
仏式の場合
仏式では「亡父」「亡祖母」のように、故人の名前を記載する際に「亡」を使用します。戒名は入れなくても失礼にはなりません。
挨拶文見本

拝啓
先般 亡(続柄)(俗名)永眠に際しましては
ご丁寧なお心遣いを賜り誠にありがとうございました
本日 四十九日の法要を滞りなく相営みました
生前中に故人が賜りました格別のご厚情に心より感謝申し上げます
供養のしるしに心ばかりの品をお送り致しますので
お納めくださいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上御礼申し上げるべきとは存じますが
失礼ながら書中を持ってご挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇〇〇〇〇
親族一同
神式の場合
神式では、「故父」「故祖母」のように、故人の名前を記載する際に「故」を使います。
謹啓
この度 故(続柄)(俗名)永眠の際には
ご多用にもかかわらず会葬を賜り
かつ過分なるご厚志を賜り誠にありがとうございました
お陰をもちまして滞りなく五十日祭を相営むことができました
生前のご厚誼に心より御礼申し上げます
偲草のしるしとしてささやかですがお礼の品をお贈り致します
ご受納いただけますようお願い申し上げます
本来であれば直接ご挨拶申し上げるべきところではございますが
書中にてお礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
キリスト教式の場合
「故父」「故祖母」のように、故人の名前を記載する際に「故」を使います。カトリックでは「追悼ミサ」、プロテスタントでは「召天記念日」が忌明けに当たります。
拝啓
先般は故(続柄)(故人の洗礼名または故人の俗名)の帰天(召天)に際し
丁重なご会葬とご芳志を賜り厚く御礼申し上げます
過日 お蔭さまで追悼ミサ(召天記念式)を滞りなく相営むことができました
つきましては心ばかりの品をお届けしますので
ご受納くださいますようお願い申し上げます
本来であれば直接お目にかかってお礼申し上げるべきところ
失礼ながら書中にてご挨拶とさせていただきます
敬具
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