もくじ
内祝いを贈るときにつける「のし」とは?
そもそも「のし」にはどのような意味があるのでしょうか。のしの由来やマナーについてご紹介します。
のしの由来
一般的にのしと言われているのは「のし紙」のこと。そもそも、「のし」とは漢字では「熨斗」と書き、のし紙の中央右上にある飾りを意味します。古くは縁起物である薄く伸ばした熨斗鮑(のしあわび)を贈り物に添えて渡したことに由来します。最近では「印刷のし」と呼ばれる水引とのしのデザインをプリントし、簡略化したものが広く普及しています。店頭などで贈答品を購入する際に「贈り物にのしをお付けしますか?」と聞かれるように、のし紙をのしと省略して言うこともあります。
のし紙の各部名称
(1)のし
右上にある細長い六角形のもの。お祝い事につけるもので、弔事用にはつけません
(2)水引
本来は贈り物を包むときに使うひものこと。本数は奇数が基本で、贈り物の目的に応じて結び方が異なります
(3)のし紙
「のし」と「水引」が印刷された紙のことを「のし紙」といい、一般的に「のし」という場合は「のし紙」のことを意味します
(4)表書き
水引の上部分で、「のし上」とも言います。「内祝」や「御祝」など贈り物の用途を記載します
(5)名入れ
水引よりも下部分で、「のし下」とも言います。贈り主の名前を書きます
のしのマナー
内祝いを贈るときは、のし紙をつけるのがマナーです。のしを使用するのは慶事のみで、弔事にはつけません。弔事にはのしのついていない、掛け紙を使用します。表書きにより、相手に中身を伝える目的もあります。内祝いの内容によって、選ぶ水引の種類が異なるため、注意が必要です。出産や進学など何度あっても良いお祝い事では「蝶結び」、結婚など繰り返さないほうが良いお祝い事には「結び切り」を使用します。
【内祝い別】のし紙の書き方
内祝いでも、用途によってのし紙の書き方が異なります。「結婚内祝い」「出産内祝い」「初節句内祝い」など主なお祝い事の内祝いについて、のしの書き方を確認してみましょう。
贈り物の用途による違い
結婚内祝い
結婚祝いのお返しには、水引は紅白の「結び切り(10本)」のものを使用します。5本1組が主流で、それが夫婦2人分という意味があります。結婚は何度も繰り返すことが望ましくない慶事のため、一度結んでしまうとほどくのが難しい「結び切り」を使用します。
表書きは「内祝」または「寿」、名入れは結婚後の姓または夫婦の連名を記載します。
出産内祝い
「紅白蝶結び」の水引を使用します。出産は何度繰り返してもよいお祝い事なので、結び目がほどけてしまっても、また結び直せるという意味の「蝶結び」を使います。表書きは「内祝」または「御礼」を選びます。名入れは姓ではなく、赤ちゃんの名前を記載します。出産祝いをくださった方に、赤ちゃんからのお礼の気持ちを表すためです。漢字の名前には、ふりがなを振りますが、これは名前をお披露目する意味も兼ねているからです。職場などビジネス上の付き合いで、赤ちゃんの名前で内祝いを贈るのがためらわれる場合には、姓のみの記載でも問題ありません。
初節句の内祝い
初節句の内祝いでは、結び目がほどけてしまってもまた結びなおせるという意味の「紅白蝶結び」の水引ののし紙を使用します。表書きは「内祝」または「初節句内祝」を選び、水引の下側に赤ちゃんの名前を記載します。赤ちゃんがいただいたお祝いの場合にはご両親ではなく、赤ちゃんの名前を記載するのが一般的です。
七五三の内祝い
七五三は何度繰り返してもよいお祝い事のため、結び目がほどけても結びなおせるという意味の「紅白蝶結び」の水引を使用します。表書きは「内祝」または「御礼」を選び、水引の下側に子どもの名前を記入します。年齢を書くこともあります。
入学内祝い
入園や入学の内祝いでは、結び目がほどけてしまってもまた結びなおせるという意味の「紅白蝶結び」の水引ののし紙を使用します。表書きは「内祝」または「入学内祝」を選び、水引の下側に子どもの名前を記載します。子どもがいただいたお祝いの場合にはご両親ではなく、子どもの名前を記載するのが一般的です。明確な決まりはありませんが、小学生なら名前のみ、中学生以上はフルネームを記載します。
表書きや名入れを自分で書くときの注意点
近年では贈り物の購入先で、のし紙をかけてもらうことが一般的となっていますが、個人で用意し表書きを書くケースでは、毛筆や筆ペンなどを使用します。ボールペンや鉛筆、黒以外のインクのペンを使用することは避けた方が良いでしょう。名前は表書きよりも少し小さめに書くとバランスが良くなります。
内のしと外のしの選び方
のしの掛け方には、品物の上にのしをかける「内のし」と、包装紙の上からのしをかける「外のし」があります。内祝いを贈る際にはどちらを選べばいいのか、それぞれの特徴を確認してみましょう。
内のし
贈り物にのしをかけた上から包装する内のしが、内祝いでは一般的です。内のしは相手に渡すときに表書きが見えません。そのため、渡す相手に贈答品の目的をアピールしすぎず控えめな印象となります。内祝いは相手を祝うのではなく、お祝いに対してのお返しのため、慎み深いイメージの内のしが好まれています。郵送する場合にも内のしを選べば、配送時にのし紙が汚れたり、破れたりする心配がありません。
外のし
贈り物を包装した上からのしを掛けるのが外のしです。外のしは相手に渡すときに表書きが見えます。結婚祝いや出産祝いなどのお祝い事では、こちらを選ぶと良いでしょう。
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